手術が無事に終わって、患者さんが麻酔から覚めたとき。
「よかった」と安堵するのは、オペ室で働く私たちの一番の喜びです。
でもある日、ふと思ったんです。
**「この患者さんは、この先どんな生活を送るんだろう?」**って。
それは、若い患者さんとの出会いがきっかけでした。
大きな選択を迫られる中で、「できるだけ自分らしく生きたい」と語っていたその姿が、今も心に残っています。
術前から何度も、どうしてもある処置に対して納得がいかないという気持ちを、
言葉を選びながら丁寧に話してくれました。
私たちは、その想いをできる限り尊重したいとチームで考え、
医師たちとも調整を重ねながら、別の治療法を模索しました。
結果として、医学的にベストな選択ではなかったかもしれない。
でも、その人にとってベターな未来につながる選択ができた——と、今も信じています。
無事に回復されて、退院された後。
ふと浮かんだのは、「この先、彼(彼女)はどんな暮らしを送るんだろう」という想いでした。
私たちオペ看には、なかなか退院後の患者さんの経過を知ることはないんです。なので、たまたまその患者さんがハンディを負いながらも社会復帰をできたと聞いた時は、オペ看としてなのか人としてなのか分からないですが、とても感動して嬉しくなった事を今でも鮮明に覚えています。
それまでは“手術が終わるまで”が私のゴールだったけど、
その瞬間から少しずつ、“手術の先の暮らし”に目が向き始めた気がします。
それからというもの、私は‘手術の先の暮らし‘に目が向くようになりました。
そんな時、ある出来事が私の背中を押してくれることになります。
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命が助かったその先に——“生活を支える”という視点が芽生えた日
長年手術室で働く看護師だった私が、ケアマネという選択肢を意識し始めたのは、上司の突然の病気がきっかけでした。命が助かった‘その先‘の暮らしに寄り添いたいーーーそう感じた体験を綴ります。
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